MEQRI JOURNAL・ディレクターのLeiが、様々なシーンで活躍するキーパーソンに、MEQRIのアイテムを使ってそれぞれの個性を活かしたスタイリングをしていただく企画「STYLING WITH」。
着用アイテム
刃牙 Long Sleeve Tee Graffiti
Color: WHITE
Size: M/L/XL/XXL
着用サイズ: XL
今回は、ドラマーやブランドデザイナーとしても活躍する岸波藍さんにご参加いただきました。
Lei:初めまして!まずは自己紹介をお願いします。
藍:岸波藍です。ミュージシャンでドラマーです。「LISTLESS」というブランドのデザイナーをやっています。
Lei:今日はMEQRIの商品から好きなアイテムを選んでいただき、私服でスタイリングをしていただきました!今日のスタイリングのこだわりやポイントを教えてください。
藍:「刃牙 Long Sleeve Tee Graffiti」のグラフィックがブルー×ホワイトだったので、全体のカラーもそのトーンで統一しました。スタイリングには好きなカルチャーをたっぷり詰め込んでいます。足元はPUMA × PlayStationのスニーカー、バッグはCDやゲームディスクサイズのクリアポケットが付いた「LISTLESS」オリジナルアイテム。ディスクのデザイン面を見せながら持ち歩ける仕様になっているんです。バッグとベストにはバッジやキーホルダーをつけています。
Lei:ゲーム、キャラクター、音楽の要素が散りばめられていますね!
藍:平成を愛しているので、どこかしらに平成を感じるアイテムが紛れ込んでいます。
Lei:藍さんは普段からブルー系のアイテムを身につけているイメージがあるのですが、やっぱりブルーがお好きなんですか?
藍:青と透明のフェチなのかなと思っています。勝手にブルーが集まっちゃうんです。MEQRIも水色がブランドカラーですよね?同じだと思い、高まりました。
Lei:「刃牙 Long Sleeve Tee Graffiti」を選んでいただいた理由や、お気に入りポイントは?
藍:「刃牙」が好きなんですけど、まだステッカーしか持っていなくて身に付けられるアイテムが欲しかったんです。なのでフロントに刃牙のグラフィックがどんと大きくプリントされているものにしました。やっぱりファンとしてこういうアイテムを身に付けたい!あとはやっぱりブルーにも惹かれましたね。
Lei:普段はどういったスタイルがお好きですか?
藍:キャラクターや特撮、映画のTシャツやロンTを普段からよく着ています。そういうアイテムをワンポイントにして、自分の趣味を取り入れたスタイリングが好きです。
Lei:キャラクター物のアイテムを取り入れるコツはありますか?
藍:「刃牙 Long Sleeve Tee Graffiti」のように、グラフィックが一色で統一されているものはスタイリングに取り入れやすくて、全体のまとまりも出しやすいです。まずはロゴやキャラクターがワンポイント入っているアイテムから挑戦してみるのもおすすめです。
Lei:藍さんはご自身のブランドもやられていますが、どういったブランドですか?
藍:「LISTLESS」はユニセックスのブランドで、憂鬱、気怠い、虚無、無関心...とかそんな気分の時でも着たくなる服をテーマにしています。"積極的ニヒリズム"的な、そういう感情をむしろプラスに捉えて、言葉には言い表せない感情をデザインで表現しています。あとは、自分が好きなカルチャーや趣味を感情とリンクさせて、グラフィックに落とし込むのが好きですね。
Lei:グラフィックもご自身でデザインされているんですか?
藍:企画やデザイン、グラフィック、アートワークは全て自分でやっています。小さい頃から絵やグラフィックを描いたり作ったりするのが好きだったんです。「LISTLESS」をスタートさせる前、当時のバンドのCDジャケットやグッズなどのアートワークも全部自分でやっていました。
Lei:「LISTLESS」をスタートさせたきっかけは?
藍:当時衣装をリースしていたショップに、デザイナーさんがいらっしゃって。その方とお話させてもらい、コラボをすることになったのがきっかけです。そこから数回コラボをした後に、ブランド立ち上げのお話をいただき、2017年にスタートしました。ご縁ですね。
Lei:2017年スタートということは8年程続けられているんですね。ドラマーとしても活動しつつ、ブランドを続けることは大変ではなかったですか?
藍:もちろん色んな活動が重なった時とかは大変でしたけど、コレクションとか枠に囚われず、自分ができるタイミングで、作りたい物が出てきた時に作る事も多かったので、意外と両立が大変とは思いませんでした。でも結構な頻度でリリースしてましたね(笑)。気づいたらもうこんなに経ってたか...という感じです。
Lei:「LISTLESS」で漫画やアニメとコラボもしていらっしゃいましたよね。
藍:そうなんです。『ヒミズ』や『GIGANT』、アニメの「グリッドマン」シリーズなど沢山コラボさせていただきました。最初のコラボは『ヒミズ』だったんです。自分の好きな作品とコラボすることが夢だったので、その夢が1つ叶った瞬間でした。自分の好きな作品のアイテムを自分で作って着れるのが本当に嬉しくて、それをきっかけに好きな作品とのコラボ実現の為に動いてました。ご縁もたくさんあり、ありがたいことに色々とやらせていただきました。
Lei:初めてコラボが決まった時、どうでした?
藍:全然実感湧かなくて、「え、いいんですか?」って感じでした(笑)。最初は自分のブランドにうまく落とし込むことよりも、ヲタク心が強く出過ぎちゃって守りすぎたデザインになってしまったりもしましたね。そんな反省をしつつ何度かコラボさせていただいて、今では「LISTLESS」とちゃんとリンクさせてデザインを楽しんでやれているなと思います。
Lei:漫画やアニメ作品とコラボするにあたって、大切にしていることなどはありますか?
藍:そのキャラクターを壊さないことですね。見た目はもちろんですけど、性格も大切にしていて、この子のこの感情をどうやって落とし込むかを考えてデザインします。キャラTって好きだし着たいけど、ちょっとハードル高い方も多いと思うんです。でもビビっていたら好きなもの着れないので、そういう人たちでも着れるようなものを作りたいと思っていますね。MEQRIのアイテムはまさにそんな人達でも着れるデザインだと思いました。こういうのが欲しいんだよって思うアイテムばかりだから、とても素敵です。
Lei:漫画やアニメなどが藍さんの音楽や、ブランドなどに影響を及ぼすことやインスピレーションになることはございますか?
藍:あります。ブランドに関しては、作品のセリフだったり、キャラクターのイメージカラーとか、感情とか、自分に刺さったものをどうしたら形に変えられるか考えて物作りをします。音楽だと、例えば感情的なドラムを叩く時は、そんなシーンを思い出したり。色んな物を自分の好きな物に繋げちゃう癖があると思います。
Lei:藍さんから生み出されたものは今まで観てきた作品と繋がっているんですね。
藍:そうですね。漫画は小さい頃からずっと大好きなので、観てきた作品に育てられている感覚があります。過去に作詞をした時も漫画のセリフからヒントをもらったり、料理している時に料理漫画のシーンを思い出して食材の扱い方を思い出したりとか。ブランドや音楽だけじゃなく、日常の色んな場面で影響を受けていると思います。
Lei:音楽をしている時と、デザインをしている時は使っている脳は違うんですか?
藍:うーん。別の脳を使っていると思います。でも感情面は一緒です。
Lei:どんな感情なんですか?
藍:イェーイ!って感じよりかは、オラァ!っていう感情です(笑)。音楽もブランドもハッピーな感情よりは、"悔しい"とか"怒り"とか"切ない"とかの感情の方が落とし込みやすいんです。
Lei:それはまた漫画やアニメの好みに繋がってきそうですね!
藍:まさにそうなんです。思い入れのあるキャラクターはバッググラウンドが切ないことが多いです。そういう儚いものに惹かれちゃうんですよ。
Lei:SNSを拝見しているとアニメや漫画などがとてもお好きなのが伺えますが、普段からよくご覧になられるんですか?
藍:そうですね。アニメだと終わりがなく、どこからでも見始められるファミリーアニメが好きです。例えば『あたしンち』とか『ちびまる子ちゃん』とか『クレヨンしんちゃん』とか。そういう小さい頃からあった作品を今でも流しながら作業したりしています。なんか安心するんですよ。大事な漫画はずっとそばにあるので、たまに読み返したりしています。あとは特撮物が大好きで、毎週日曜日ちゃんと朝起きてリアルタイムでしっかり観ています。
Lei:漫画やアニメにハマったきっかけは?
藍:実はお母さんが漫画とかゲームが大好きなんです。新しいソフトやゲーム機が出たらお母さんが買ってくるんですよ。だから大人になるまで自分で漫画もゲームも買ったことがなくて。漫画も偏りなく、少年漫画、青年漫画、怖いものから、色んなジャンルが揃っていましたね。幼稚園の頃、お母さんがリビングで『バイオハザード』を観ていたので怖くて泣いたこともあります(笑)。家が図書館みたいな環境だったんで好きになったきっかけは"家"ですね。学校を休んだ時に暇していたら、漫画でも買ってきたらと言われて漫画を買いにおつかいに行っていました(笑)
Lei:漫画・アニメ好きエピソードなどはございますか?
藍:絵を描くのも同時に好きだったので漫画家になりたかったんです。でも表紙ばっかり気合い入れて中身が全然進まなくて諦めました(笑)
Lei:藍さんにとって漫画やアニメはどのような存在ですか?
藍:一人で遊ぶのが大好きだったので、どんな時でも遊んでくれる"友達"ですね。
Lei:「刃牙」シリーズを初めて読んだのはいつですか?どのシリーズをご覧になりましたか?
藍:高校生ですね。当時、軽音部のみんなが「刃牙」シリーズを回し読みしていていたんです。私はバトル系は読まなかったので、自発的に選ばないジャンルだったんですけど、一度でいいから読んでみてって言われて読み始めたのがきっかけです。
Lei:初めて読んだ時の感想は?
藍:偏見持ってごめんなさいでした。最初に読んだのがまさかの『バキ特別編 SAGA[性]』で、ギャグ漫画なのかなと思いながら読み始めたんです。主人公の刃牙と恋人の梢江の最初の一夜のお話を1冊にまとめたストーリーで、最初に読むにはあまりにも特殊な巻でした(笑)。一夜のお話なんですけど、エロじゃないんですよ。人間の仕組みというか、人間という生命体や本能のぶつかり合いの話だったんです。もちろん笑える部分もあるんですけど、だんだん笑えないくらい大真面目なことが伝わってきて、ギャグ通り越して色々と規格外でした。そこから「刃牙」の魅力に引き込まれて、最初のシリーズ『グラップラー刃牙』を読み始めたんです。
学校帰りにレンタルショップに行って、レンタルできる最大冊数を借りては返して、また続きを借りて...を繰り返して、やっと当時リアルタイムで進んでいた『刃牙道』まで追いつきました。
Lei:どういうところに魅力を感じましたか?
藍:魅力は、ただの"戦い"じゃないところなんです。「刃牙」を読むか読まないかで、自分の"戦闘力"は確実に変わると思うんです。作者は人間の能力とか、身体の構造、考え方まで、とことん掘り下げて、それを全部"戦い"に変換してる。速さとか強さとか、体の作りそのものを"技"として描いてるんですよ。もう、ほとんど"人間の教科書"みたいな作品だなって。だから、喧嘩経験のない「刃牙」を読んだ人と読んでいない人が戦ったら、読んだ人の方が絶対強いと思うんですよね。
もちろんストーリーも面白くて、ただの喧嘩では負けた事がないような、日常では強いとされてる人が、自信満々に自分の強いエピソードを披露してくれるわけですよ。でも刃牙みたいな本当に規格外に強い人が出てくると、その"強いフリ"が通用しなくてあっという間にぶちのめされるんです。あの"泳がせてる感"がまた面白いんです。
しかも、めちゃくちゃ強いキャラたちにはそれぞれ"簡単に負けられない理由"がある。
戦いへの信念とか、バックグラウンドがちゃんとあって、だからこそ感情移入もしやすくて、熱くなるんです。
"こんな人間、地上に実在するわけない"っていうくらい強いのに、描き方がリアルだから魅力的に感じます。
Lei:一番好きなキャラクターは誰ですか?
藍:花山薫です。もうTHE・漢なんですよ。無口で多くを語らず、ただただ圧倒的に強く、かっこいいんです。15歳にして暴力団組長になったんですけど、かたぎには迷惑をかけず、非道な行為を一切しないんです。例えば、組の収入源は投資や街のおしぼりのレンタル業だったり、心優しく人望があって親思いなんです。
生まれ持って握力が測れないくらい強くてドアノブを握ったらぐちゃぐちゃになっちゃったり、重ねたトランプを指でつまんで引きちぎったり、とにかく力が強すぎた故に彼にはこういう生き方しかなかったんだろうな思いました。その悲しきモンスター感と、男も憧れるほどのかっこよさが魅力です。九九ができないのも可愛い。
Lei:印象に残っているシーンや、好きなシリーズはございますか?
藍:刃牙が毒にやられて死にかけるシーンがあるんですけど、"毒が裏返って"復活するんです。この「毒が裏返る」ってセリフと発想が好きで、私も二日酔いで迎え酒をする時に「酒を裏返す」って表現をしています(笑)。

『バキ』21巻 P165より引用
Lei:「刃牙」シリーズを通じて自分の生活や考え方に影響を受けたことはありますか?
藍:めちゃくちゃあります。実は日常に役立つポイントが多いんです。運動前に炭酸を抜いたコーラを飲むといいとか、三戦立ちという揺れに強い立ち方があるんですけど、私は電車で揺れた時に密かに実践しています。あとは人間の急所は真ん中に集まっているらしいので、いきなり襲われた時のシュミレーションをする時に役立っていますね。
Lei:「刃牙」では"強さ"が、大きなテーマになっていますが、藍さんにとって強さとはなんだと思いますか?
藍:"強さ"とは"弱さ"だと思います。弱点とかコンプレックスを強みにできた方が、生きやすかったりするじゃないですか。だから、自分の中にある"弱さ"をどう落とし込んで、自分の武器にできるかっていうのが大事で。すごく嫌なことがあった時とか、落ち込んでる時も、その感情をちゃんと落とし込んで、とことん感じきる。そうすると、普段だったら出てこない言葉とか感覚が出てくることがあるんですよ。そういうふうに、マイナスな出来事とか感情も、逆にプラスに働かせて全部を経験値に変えていく。
だから、自分の"強さ"っていうのは、結局"弱さ"をどう受け入れるか、どう付き合っていくか、そこにあるんじゃないかなって思ってます。
Lei:ありがとうございました!
岸波藍
Instagram @kisiai_61
ミュージシャン/ドラマー/ブランド「LISTLESS」デザイナー
数々のバンドを経て、現在は霜降り明星 粗品の音楽(バンド)プロジェクトのドラマーとして活動。2017年、ブランド「LISTLESS」を立ち上げデザイナーとなる。
自ら、企画/デザイン/グラフィック制作/アートワーク全てを手掛け、アニメ/漫画/アーティストなどコラボを積極的に行なっている。ソフビや指人形など制作の幅を広げ活動している。
多趣味なオタク。映画/漫画/特撮などを好みプラモデルや玩具/ソフビ収集が趣味である。
Lei
Instagram @leipooon
1997年、兵庫県出身。MEQRI JOURNAL ディレクター。13歳からタレントとして活動後、2022年に自身のブランド『Margarines』をスタートしデザインやディレクション全てを行う。同年、クリエイティブスタジオ『studiolab404.com』の立ち上げと共にメンバーとして加入。
着用アイテム
刃牙 Long Sleeve Tee Graffiti
着用者身長: 168cm
着用サイズ: XL