今回のMEQRI JOURNALでは、『ガチアクタ』とのコラボレーションアイテムのLOOKモデルを務めた、ロックバンドPaleduskのボーカルKAITOさんにお話を伺いました。
Lei:こんにちは!まずは自己紹介をお願いします!
KAITO:バンドやってます。PaleduskのボーカルKAITOです。
Lei:今回は『ガチアクタ』の新しいコレクションのビジュアル撮影でしたが、いかがでしたか?
KAITO:LeiちゃんやMEQRIチームに友達がいることもあって、「刃牙」や「カイジ」などのアイテムをいただいたり、いつもチェックしてる!他の作品のLOOKで友達が起用されているとこがあって、「いつか自分にも声かからないかな?」と期待していたんだけど、今回『ガチアクタ』のコレクションでオファーをしていただけて、嬉しかったです!
Lei:今回撮影した2LOOKはKAITOさんの私服でスタイリングしていただきました!今日のスタイリングのテーマやこだわりを教えてください。
KAITO:普段から古着のバンドTシャツを着ることが多いから、パンツや靴を派手目にするようにしているんです。今回の撮影もTシャツだったから、衣装っぽい感じじゃなくて、普段通りのスタイルにしました。バンドメンバーは黒っぽい服を着ていることが多かったりもするから、僕は明るめの色を選ぶことが多かったりしますし、自分たちのようなヘビーなサウンドのバンドはなんというか、ダークなイメージがあると思うんです。でも『ガチアクタ』ファンの中には自分達がいるカルチャーに触れたことがない人も多いと思うので、そういう人達にも向けて、優しい色味のパンツにしました。
Lei:パンツどちらともめっちゃ可愛いです!
KAITO:ベージュのパンツは一昨日ぐらいにゲットしたんです!バギーショーツに長めのソックスを合わせて、肌を見せないスタイルが好きで、このパンツはショーツ丈にもできるようになっていて気に入っています。
デニムは実はファンの方が作っているブランドのものなんです。元々はもっと綺麗なんですけど、わざと汚したりして着ています。
ベージュのパンツも知り合いのブランドの物だし、スニーカーもこれから売る予定の自分のブランドなんですけど、今日みたいな私服での撮影の時は、普段一緒に仕事している人や、自分の周りにいる人のブランドやアイテムを着て、少しでも何か還元できたらいいなと思っています。
Lei:今回ご着用いただいた『ガチアクタ』のアイテムは、KAITOくんご自身で選んでくださったと思うのですが、気に入っているポイントはありますか?
KAITO:「Tee ルド 2」は『ガチアクタ』ロゴが筆っぽいニュアンスで日本らしいところが気に入っています。日本語がプリントされている服って避けがちなんだけど、このグラフィックはカタカナなんだけど一見カタカナに認識できない感じがかっこいいです。
「Tee 掃除屋vs荒らし屋」はさっきも言ったんですけど僕、バンドTシャツが好きなので、このフェードかかっている感じとか、グラフィックの感じが好みで自分にマッチしていて選びました。
Lei:ライブの衣装はどうのように決めていますか?
KAITO:以前までは毎回違う衣装を着ていたんです。でも今は、もしいたらですけど、真似したいと思ってくれる人が真似しやすい方がいいなと思ったんです。なので、今は基本的に袖のないカットオフのトップスとバギーショーツのスタイルをベースに、「これを着ればこいつみたいになれる」みたいなスタイルを大事にしています。
あとは毎回同じものを着ても飽きられないように、作る!!リメイクもしてもらったりします。
ちなみに服を選んでる時間も好きなんでライブの時は4〜5種類衣装を持って行きます。1回しかライブないのにいつもなんでこいつこんな荷物多いんやろって顔されてる(笑)。
Lei:観る側のことも考えた衣装選びなんですね。
KAITO:自分が好きになったバンド・Kornとか、その時代の人達ってやっぱめっちゃオシャレ。昔だから今観ると変な格好なんだけど、当時かっこいいと感じたことを現代的に落とし込んで、どうしたらかっこいいかを考えています。あとライブ中めっちゃ動くので、シンプルに分厚い服だと暑くて。汗かいて疲れると単純に歌のクオリティが落ちるから身軽な方がステージングもいいし。
Lei:KAITOくんはご自身でブランドもやられていますよね。どんなブランドなんですか?
KAITO:僕めっちゃサッカー好きで、なんなら子供の頃から音楽よりもサッカーが好きだったくらい。今サッカーユニフォームを女の子が着るの流行ってたりするけど、僕ガチ勢なので自分が応援してるリバプールのユニフォームしか着れないんですよ。だから自分の好きなデザインでユニフォーム作るか!ってなったのがきっかけです。
バンドのグッズも自分がディレクションみたいなことをさせてもらってるのですが、色んなお客さんに買っていただくものなので、自分だけがかっこいいと思ってるものじゃいけない時もあって。様々なバランスを考えながら作っています。自分のブランドは赤字にならなければOKで、趣味と仕事の狭間にあるから好きなことができるんです。さっきの話にも繋がるんですけど、ライブの衣装でも自分のブランドのサッカーユニフォームを着ているので、そうするとファンの人達も真似しやすくなるんです。自分達で考えた物を、手にとってもらえるのが嬉しいですね。
Lei:しかもそれを着てライブに来てくれるんですよね。めっちゃ嬉しいですね。
KAITO:そうなんです。自分が幸せを感じる瞬間って、人から物をもらう時ももちろんあるんですけど、自分が誰かにプレゼントしたりする時なんですよ。だから、自分が作ったアイテムを友達が欲しがってくれて、ライブで着てくれたりとか、バンドマンに限らずファンの人が買ってくれたり、みんなが嬉しいことが自分にできるのが本当に嬉しいです。
Lei:では『ガチアクタ』についてお聞かせください。今回テレビアニメ『ガチアクタ』のオープニング主題歌を書き下ろされていますが、「HUGs」はどのような想いで製作されましたか?
KAITO:正直メジャーデビューしたこととか、タイアップがどうとか、いい意味でどうでもよかったんです。今回の曲は会社からの案件ではなく、裏那圭先生と晏童秀吉さんが2022年ぐらいからPaleduskのライブに来てくれて、ファンになってくださったことがきっかけでした。そこから「『ガチアクタ』アニメ化のオープニング曲はPaleduskじゃないと嫌だ!」というぐらい熱くオファーしていただき、実現したんです。
だから、これは単なる仕事じゃなくて、すげぇ血が通った話なんですよ。バンドを広げる為のタイアップじゃなくて、Paleduskが最強の曲を作って、僕がもし最高な歌を歌えれば、そこにいろんな人の思いが重なって、血の通った楽曲になる。そんな確かな土台があったからこそ、今回が過去最大のプレッシャーでした。
でもそのおかげで今の自分のことも、この曲で何か変えなきゃって、こんなにやべぇバンドがいるんだぞって伝えなきゃと思いました。
Lei:始めにオファーを受けた時の率直な感想は?
KAITO:実はアニメ化が決定する前から裏那圭先生と晏童秀吉さんが「いつかアニメになったら一緒に仕事しましょう!」って言ってくださってたんです。実際に結びつけようとしてくれて、僕ら以外は無しですぐらいの気持ちで言ってくれたのが本当に嬉しかったです。
Lei:「HUGs」本当にかっこよかったです。色んな感情が生で詰め込まれていて、ルドの叫びもPaleduskの伝えたいとこも一気に伝わる感覚でした。
KAITO:実は今アルバムを製作していて、3〜4ヶ月で新曲を沢山作っているんですけど、その中でも「HUGs」が一番古い新曲なんです。他にも色んなかっこいい曲があるんですけど「HUGs」を作った当時の人間関係や心境も含めて、悶々としていて混沌としてた時期だったんです。だからその色んなエナジーが僕の声にも、楽器の音にも強く乗っかっているんですよ。言葉で表現できない感情は、特殊なものがあるなと感じました。「HUGs」はPaleduskの楽曲の中でも最もパワーのある楽曲になったんじゃないかなと思いますね。
Lei:裏那圭先生や晏童秀吉先生とのやりとりなど、印象に残ったとこはありますか?
KAITO:普通、僕側のマネージメントと先方のマネージメントを通してやり取りするんですけど、裏那先生とはSNSで繋がっていたので、時間がもったいないし、直接伝えた方が絶対いいと思ったんです。だから歌詞を書いている時に、裏那先生と3〜4時間くらい電話したこともありましたね。
Lei:歌詞において、主人公ルドとの重なりや作品のテーマを意識した表現などはありましたか?
KAITO:最初、作品へのリスペクトを持って、作品内ででてくるワードをいっぱい使おうと思ったんです。例えば"奈落"って『ガチアクタ』の中でも大事なワードじゃないですか。実はサビのフレーズも最初は「抱きしめて欲しい」じゃなくて「奈落を泳いで」だったんです。その段階で裏那先生に歌詞を送って、気に入ってくれたんですけど、最終的には書き直そうという話になって今の形になりました。
それはやっぱり、作品をリスペクトしているからこそ、その上を行こうってなったんです。『ガチアクタ』を知っている人だけ意味がわかるような歌詞にしても意味がないと思ったし、もちろん作品を知らない人にも伝わるように心がけて書いてたんですけど、よりそこにフォーカスしたことがすごく大きかったと思います。
最近、Paleduskの歌詞を書く時に意識していることは、自分に置き換えられる言葉にすること。サビの「抱きしめて欲しい」も自分もそう思うし、誰だって好きな子に抱きしめられたいし、全局面に置いて自分に重ねられる歌詞にしたいと思っています。なので、ルドが歌っていると思って聞いてもおかしくないように。ルドすぎず、でもルドでもあって、あなたでもあって、僕でもあるんです。
作品を意識した表現でいうと、「Graffiti painted by an angel On a no-graffiti wall」って歌詞は和訳すると「天使が禁止されてる場所にグラフィティを書いた」ってことなんです。何が言いたいかというと、政治家だからって悪いことやってもいいわけなくて、良い者とされてたら悪いことしても見逃されていく社会と、『ガチアクタ』の悪いやつじゃないのに、身分によって奈落に落とされる世界観を表している歌詞だったり。
「What do you see in the "clean dirts"?」は変な言葉なんですけど、和訳すると「綺麗な汚れがあったら君はそれを見てどう思うの?」で、ゴミから価値を見出せるルドとも重なる歌詞でもあります。
曲も結構ダークで、逃げ出したい、嫌だ、みたいな弱い側面の歌詞が多いんですけど、サビは本当の自分の気持ちを曝け出してる。ラブソングじゃないんだけど抱きしめてほしいんです。
Lei:最後に『ガチアクタ』の魅力は?
KAITO:めっちゃシンプルに言うと、裏那先生と秀吉さん、あの2人の尖りじゃないですか。やっぱり僕はそこが魅力かと。
全てのことにおいて、きっと時間を重ねれば重ねるほど、新しいって思えたり思われたりすることって減ると思うんです。だから新しいものを生み出すのは簡単じゃなくて、その中であのテイストと空気感がカウンターカルチャーになっているのも魅力だと思います。
『ガチアクタ』を読んでいると、先生たちがどんなものを好きなのか、人となりまで伝わってくる気がするんです。直接会ったことがなくても。それってすごく素敵なことだなと思います。
Lei:ありがとうございました!
KAITO
Instagram @kaito_paledusk / @access_peace
福岡県出身、A型。2015年、Paledusk結成、2025年7月28日に配信リリースされた「HUGs」をもってavexのA.S.A.Bからメジャーデビュー。自身のブランドACCESS PEACEのディレクターを務める。
Lei
Instagram @leipooon
1997年、兵庫県出身。MEQRI JOURNAL ディレクター。13歳からタレントとして活動後、2022年に自身のブランド『Margarines』をスタートしデザインやディレクション全てを行う。同年、クリエイティブスタジオ『studiolab404.com』の立ち上げと共にメンバーとして加入。
着用アイテム
Tee ルド 2
Tee 掃除屋vs荒らし屋