STYLING WITH:Nakatani (Mayurika) - 前編

MEQRI JOURNAL・ディレクターのLeiが、様々なシーンで活躍するキーパーソンに、MEQRIのアイテムを使ってそれぞれの個性を活かしたスタイリングをしていただく企画「STYLING WITH」。

今回は、お笑いコンビ・マユリカの中谷さんにご参加いただきました。本インタビューは前編と後編に分けてお届けします。前編では中谷さんご自身のお話と漫画について伺い、後編では、『うしおととら』に焦点を当ててお伺いしました。ぜひ、前編・後編通してお楽しみください。後編はこちら。

Lei:今日はマユリカ 中谷さんのご自宅にお邪魔しています。早速ですが自己紹介をお願いいたします。

中谷:吉本興業で芸歴14年目になる、マユリカというコンビの中谷です。


Lei:よろしくお願いします!部屋中に漫画やグッズがいっぱいありますね!子供心がくすぐられます。

中谷:大人子供部屋です(笑)。こういう部屋は好きな人は好きなんでしょうけど、そういう人がなかなか遊びに来てくれないので。漫画好きな人が来てくれたら喜んでもらえるかなと思います。


Lei:漫画に関するものがたくさんありますね。全部でどれくらいあるんですか?

中谷:グッズはちょっとわからんけど、漫画は1000冊以上ありますね。こういったことは誰も理解してくれないから、あまり表に出さないんですけどね。処分はしたくないし、頑張って広い部屋に住むしかないんです。趣味を詰め込める1部屋は大事にしたいです。


グッズだと、このあだち充先生の直筆カラー色紙が一番のお宝です。あだちプロに遊びに行かせていただいた時に勇気を出してサイン色紙をお願いしたら、その場じゃなくて「ちゃんと書くから置いてけ」って言っていただいて。さらに誰を書いてほしいか聞いてくださったので『クロスゲーム』という作品の一番好きなキャラである、月島青葉をお願いしました。

Lei:めっちゃ贅沢ですね!この色紙が一番思い入れのある物ですか?

中谷:そうですね。あとは他にもちょこちょこサイン色紙があって、学生の頃から好きだった先生に芸人になってからお会いできた際に直接いただきました。


Lei:幼少期からずっと持っている漫画もあるんでしょうか?

中谷:子供の頃、お小遣いで初めて買った漫画『爆球連発!!スーパービーダマン』は今でも持っています。子供ならではのジャケット買いをして、1巻じゃなくて2巻から買ってしまった思い出があります(笑)

Lei:そんな漫画好きな中谷さんが漫画にハマったきっかけは?

中谷:きっかけはやっぱり『爆球連発!!スーパービーダマン』ですね。「ビーダマン」で遊んでたし、A4のコピー用紙を半分に割ってホッチキスで止めて自分のオリジナル「ビーダマン」漫画を小学校3、4年生ぐらいの時に描き初めました。


Lei:特に影響を受けた作品も『爆球連発!!スーパービーダマン』ですか?

中谷:一番影響を受けたのは『烈火の炎』です。忍者をモチーフにしていて、能力が火とか風とか土とかめっちゃ男心くすぐられるところに影響を受けました(笑)

Lei:漫画家を目指していらっしゃったとお聞きしたんですが、どうして漫画家を目指し始めたのでしょうか?

中谷:絵を描くのが好きやったんです。漫画ってこんなもんかなって真似して描いてみたのが始まりです。当時、同級生の中では比較的早くインターネットに触れていて、そこで漫画を描く専門のペンがあるとか情報を集めて。文房具屋さんでそれっぽい物を買って、漫画の描き方の本を見よう見まねで原稿用紙に描いていました。


当時インターネットで「漫画家を目指している人の広場」というサイトがあったんですよ。今みたいにSNSがなかったけど、漫画の描き方をまとめてくれたり、掲示板やチャットがあったんです。僕は中学2年生で初めてチャットに参加して、それから大学1年生くらいまでずっと常連で居座っていました。


そのサイトには、エロ漫画家とか、プロ漫画家の元でアシスタントをしている人や、イラストレーターとかが参加していて、そこで情報交換しながら色々教えてもらいつつ、自分でホームページを作って1ページの漫画やイラストを投稿するようになったんです。そしたら反応してもらえるのが嬉しくて、その延長線で漫画を雑誌に投稿し始めました。


Lei:それが「体操小僧」時代ですね!

体操小僧というペンネームで学生時代に更新していたブログ

Lei:漫画家を目指していた時に頑張っていたことや、当時のエピソードがあれば教えてください。

中谷:なんでしょうね。当時はただ単に漫画を描くことが好きやったからあんまり頑張ってると思ってなかったですけど。学校が遠くて片道1時間半ぐらいあって、部活やって1時間半かけて帰ってきて、飯食って、勉強を全くせずに朝4時ぐらいまでずっと漫画描いてました。寝るのは3時間ぐらいで、また1時間半かけて学校へ行って、授業は全部寝て、勉強はできひんけど漫画だけはずっと描いてました。


Lei:ちなみに出会いは漫画とお笑いはどちらが先ですか?

中谷:漫画です。僕ほんまにただのテレビ好きでバラエティー番組を見てた男の子なだけなんです。阪本(マユリカの相方)とか周りに教えてもらって見てたぐらいで、劇場も見に行ったことなかったし、全然お笑いヲタクではなくて。大学生の時に。阪本に一緒にやらへんかって誘われるまでそのレベルでした。

Lei:誘われるまで芸人さんを目指してたわけじゃなかったんですね!

中谷:芸人になるとは思ってなかったです。でも漫画家を目指し始めたスタートが早かった分、デビューがずっとできないまま大学生になってしまったんです。若かったからくすぶってるとまでは言わないですけど、なんか思ったようにうまくいかないなと思っていました。僕ミーハーなんで、だったら芸人の方がテレビ出れるかもなとかとかそっちの方がおもろそうやな、モテるんちゃうかなって不順な動機でハンドルを切りました。


Lei:今になってその選択はよかったと思いますか?

中谷:結果論で今生活できているからよかったとは思いますけど(笑)。あのまま漫画描いてたらどうなっていたかわからないんで。野垂れ死んでる可能性もありますしね。


Lei:芸人というお仕事で漫画が役立っていると感じることはありますか?

中谷:このインタビューもそうですけど、「少年ジャンプ+」のラジオに呼んでいただいたり、漫画関係のお仕事をいただけるようになってきて、ただ漫画が好きなだけじゃなく、実際に描いていた経験があることで説得力が増したり、少し違う視点で喋れる部分があります。そういった点は他にはあまりないところだと思うので、役立ったなと感じています。


Lei:漫画家さんとか漫画家を目指している方もそうですけど、なかなか出会うことがないですし、珍しいと思うんです。それを経験した上でさらに芸人さんになるってすごいキャリアですよね。お笑いと漫画はそれぞれ異なる表現ですが、どちらにも通じる要素はありますか?

中谷:なんでしょうね…。数値化できないところですかね。「M-1グランプリ」は大会としてエンタメとして成立してますけど、本来スポーツと違って記録が出ないじゃないですか。感性に委ねられているというか。結局沢山の人がおもろいと思うかどうかっていうところはどちらにも通づると思います。漫画家さんと話していると、面白い作品を描くとこは前提として、あとはその時の運とか時代とハマるかとかが重要だとおっしゃっていたのでその点は似てるかもしれないです。

Lei:古い漫画から最新の漫画まで詳しいですが、どうやって情報を仕入れているんですか?

中谷:マンガ大好き芸人・吉川きっちょむとか異常に漫画を読んでるんですよ。そういう漫画好きの人とか好きな漫画家やクリエイターをXでフォローしていると、漫画の感想をポストしてくれたりするので、そういう一方的に信頼してる方達が面白かったと言っている漫画を片っ端から読んでいます。


​​Lei:中谷さんにとって漫画とは?

中谷:生活の一部ですかね。中学生の時から漫画を読みながら寝落ちするのがルーティーンになっていて、今もそれをしないと気持ち悪いんです。最近だと『BLEACH』をもう一回読み直そうと思って、電子版で全部買って読んでいました。


​​Lei:漫画が日常に溶け込んでいるんですね。

後編へ続く。


マユリカ 中谷
Instagram @mayurika.nakatani
中谷(ナカタニ) お笑い芸人。
1989年10月23日生まれ、兵庫県出身。A型。2011年、阪本と共にお笑いコンビ・マユリカを結成。
 

Lei
Instagram @leipooon
1997年、兵庫県出身。MEQRI JOURNAL ディレクター。13歳からタレントとして活動後、2022年に自身のブランド『Margarines』をスタートしデザインやディレクション全てを行う。同年、クリエイティブスタジオ『studiolab404.com』の立ち上げと共にメンバーとして加入。

 

着用アイテム
うしおととら Long Sleeve Tee うしお
着用者身長: 171cm
着用サイズ: XL


©藤田和日郎/小学館
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