STYLING WITH:Kaiki Ohara / ガチアクタ

MEQRI JOURNAL・ディレクターのLeiが、様々なシーンで活躍するキーパーソンに、MEQRIのアイテムを使ってそれぞれの個性を活かしたスタイリングをしていただく企画「STYLING WITH」。

今回は、俳優やブランド・映画のプロデューサーなど幅広く活躍する、大原海輝さんにご参加いただきました。

Lei:自己紹介をお願いします!

海輝:大原海輝です。俳優をメインに活動しています。その他には映画やブランドのプロデュースをしたり、クリエイティブなことが好きなので服を作ったりしています。

Lei:今日はMEQRIから新しくリリースされた、 ヴィンテージウェアに晏童 秀吉先生が描き下ろした『ガチアクタ』のロゴが施されたアイテムに合わせて、私物でスタイリングしていただきました。今日のスタイリングで注目して欲しいところやテーマはありますか?

海輝:『ガチアクタ』の世界に自分が行くならどんな服で行くかをテーマにしました。『ガチアクタ』の世界はキャラクターの内面が服に現れているイメージなので、自分の個性とか色を思い返して今日は黒い服にしました。あとはキャラクターのネイルを意識して、僕も爪を黒くしてみました。

Lei:今回、ヴィンテージアイテムを使用したコレクションになりますが、普段ヴィンテージアイテムは着ますか?

海輝:僕のおばあちゃんがメンズ服を着たり、洋服箪笥を持っているような服好きで、服のサイズも指のサイズも僕と全く同じなんです(笑)。なのでおばあちゃんが持ってるアイテムをよく着ますね。

Lei:そうなんですね!今日はおばあちゃんのアイテムも取り入れているんですか?

海輝:この指輪は、おばあちゃんが友達と作ったものなんです。あとは「IKUMI」というブランドのお手伝いをした時に、デザイナーikumiさんからもらった服も着ています!僕も、『ガチアクタ』みたいに物に魂が宿ると思っているんです。だからおばあちゃんや親しい人が使っている物に宿った想いを、自分も着れるんじゃないかと思ってよく選びます。

Lei:『ガチアクタ』を好きになったきっかけはありますか?

海輝:「週刊少年マガジン」を毎週買っているんですけど、『ガチアクタ』を読んだ瞬間、強烈に個性を感じました。”癖”が強い方が描いているんだろうなと。その“癖”のファンになりました。

Lei:“癖”とは?

海輝:主人公を含め、忘れられない過去を持つ人々が登場するんですが、彼らの言葉には深い愛が込められているんです。ただ、彼らは偏りすぎていて、それが相手に全然伝わらないんですよね。でも、会話が噛み合っていない中でも、段々と少しずつお互いを理解していく姿がとても独特で印象的でした。もしかしたら、作者さん自身も「伝わらない苦しさ」を経験したのかもなぁと。それを漫画という形で表現しているのが、とても美しいと感じました。

Lei:それは自分自身にも重ねて読んでいましたか?

海輝:そうですね。僕も、思っていることをストレートに言ってもなかなか上手く伝わらない時があるんです。だから俳優という職業を通して、伝えるために演じているんだと思います。

Lei:『ガチアクタ』で好きなキャラクターは?

海輝:やっぱりルドかなぁ。自分が17歳の頃に親が再婚して地方に引っ越してしまって、帰る家がなくなったんです。当時は捨てられたと思いました。なのでルドの境遇には感情移入しましたね。

Lei:重なるところがあったんですね。ルドは育ての親を殺した犯人を見つけて仇を討つためだったり、不条理な世界への復讐だったり、行動原理に “復讐”の感情が含まれてると感じます。海輝君の行動原理を教えてください。

海輝:17歳の当時は救ってくれる人がいて、家族より家族だと思える人たちができたんです。そんな人達と一緒にいたいという気持ちだったり、同じように自分も誰かにとってそういう存在になれればいいなとという気持ちがあって。あとは人間関係や社会での理不尽がすごく許せないんです。その理不尽を一つでもなくしていきたい思いが行動原理になっています。

Lei:お話を伺っていると、『ガチアクタ』やルドに自分を重ねたり、強い共感を感じているように思いますが、漫画やアニメの影響を受けて自分自身に取り入れることはありますか?

海輝:かなりありますね。漫画やアニメに救われたり、育てられたと感じているんです。希望や思いをもらっていることが多いですし、キャラクターの言動を自分に取り入れているなと感じることもあります。

Lei:特に影響された作品はありますか?

海輝:いっぱいあるんですけど、特に『天元突破グレンラガン』には影響されていますね。一番好きなセリフが「お前を信じろ!俺が信じるお前を信じろ!!」。幼少期から大人になるまでを描いたアニメで、思いが引き継がれて前に進んでいくんです。あいつらがいたからこそ、今の自分があるという思いが、言葉の端々に込められているところが好きですね。

Lei:『ガチアクタ』の話に戻りますが、もし海輝君が人通者(ギバー)だったら何が“人器”(ずっと大切にしているもの)になると思いますか?

海輝:おばあちゃんが作った指輪かネックレスかな。ネックレスは17歳の時に一番救ってくれた人がくれたネックレスで、ずっと着けていてお守りにしています。

Lei:海輝君って俳優だけじゃなく、ご自身のブランドだったり、プロデュース業だったり、様々なお仕事を幅広く行っていると思うのですが、そのスタイルはどうやって築き上げたんですか?

海輝:色んな人に救われて今があると思っているので、仲良い人と一緒にいたいし、仲良い人と仕事したいと思うのがこのスタイルにつながったと思います。あとは自分の物は自分で作りたいとか、好きな人たちが作った物で身の周りを固めたいという気持ちが大きいです。その方が自分を愛せるし、物も愛せる。

Lei:ご自身でブランドをやっていますが、服を作る上で大切にしていることはありますか?

海輝:俳優業上、タトゥーを入れられないので、入れたいタトゥーのデザインや、忘れたくない記憶とか、残したい出来事を服にします。 ”物語を着る”というコンセプトなので思いを無くさないことを大切にしています。

Lei:そもそもどんなファッションスタイルが好き?

海輝:今の自分を服で表現したいから、モードの時もあれば、俳優業の時は俳優っぽい服を着るし、「今日はこういう人です!」って名刺のような感覚で服を選んでいます。最近はパンクなスタイルが好みですね。

Lei:最後に、海輝君にとって “ファッション”とはなんですか?

海輝:意思表示です!こういう自分ですという覚悟の表れだと思います。

 

大原海輝
Instagram @umichan1015
俳優として、ミュージカル『テニスの王子様』やドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』、 TK from 凛として時雨『誰我為』MV など幅広く出演している。
共感覚があり、音に色やカタチが見えている。それを元にプロデュース・デザインや映像を制作している。銀座蔦屋モデレーター、代官山蔦屋キュレーション、アニメ 『チェンソーマン』 WP PR、Youth Crews主催として 『私の人生を変えた本 展』プロデュース。そして、映画『春の嵐がやってくるまで』プロデュース・主演をしている。

 

Lei
1997年、兵庫県出身。MEQRI JOURNAL ディレクター。13歳からタレントとして活動後、2022年に自身のブランド『Margarines』をスタートしデザインやディレクション全てを行う。同年、クリエイティブスタジオ『studiolab404.com』の立ち上げと共にメンバーとして加入。

 

着用アイテム
■MEQRI × ガチアクタ “THE ONLY” COLLECTION Limited Vintage Items
Military Coat<B>
Denim Jacket
Anorak<A>
着用者身長: 172cm

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