STYLING WITH:Chiyo / DEEP DIVE in sync with GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊

MEQRI JOURNAL・ディレクターのLeiが、様々なシーンで活躍するキーパーソンに、MEQRIのアイテムを使ってそれぞれの個性を活かしたスタイリングをしていただく企画「STYLING WITH」。 今回は、バンド・SPARK‼SOUND‼SHOW‼のベースを務めるChiyoさんにご参加いただきました。

Lei:はじめまして!早速ですが自己紹介をお願いいたします。

Chiyo:SPARK‼SOUND‼SHOW‼というバンドでベースを弾いています、Chiyoです。バンドの他にもグラフィックデザインもしています。自分のバンドのグッズデザインや、アートワーク、自分のブランド「SCAB CLUB」のデザイン、グラフィックの提供などをしています。


Lei:今日はそんなChiyoさんにMEQRIの商品から好きなアイテムを選んで、私物でスタイリングをしていただきましたが、「攻殻機動隊 Long Sleeve Tee 義体」を選んだ理由を教えてください。

Chiyo:「攻殻機動隊」らしいサイバーパンクなデザインが気に入りました!なので今日のテーマはパンクです!

Lei:だからパンクスタイルなんですね!レイヤードがおしゃれで素敵です。Chiyoさんが「攻殻機動隊」を知ったきっかけは?

Chiyo:僕が小学校低学年の頃に劇場版の2作目『イノセンス』が公開されて、CMが流れていたんですよ。CMは日本人形みたいな子供の怖い描写があって、楽曲も不気味な感じで、夜中に見たもんやからめっちゃ怖くてトラウマになったんです(笑)。それが初めて「攻殻機動隊」の作品に触れた瞬間でした。 それから僕が中学生になって家の近くのレンタルビデオショップでDVDを借りまくっていた時に『イノセンス』のジャケを見つけて、あのCMの違和感を思い出して「これや!」ってなり、借りてみたんです。そしたらまさかの2作目でした(笑)


Lei:2作目スタートだったんですね(笑)。そこからハマったんですか?

Chiyo:最初は中学生だからなんのこっちゃわからなくて、でも映像がすごい綺麗で世界観には引き込まれたんです。その後1作目『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』を観て、アニメシリーズも観てハマっていきました。なので、『イノセンス』が僕の中では一番思い出深いです。

Lei:初めて観た時の感想は覚えてますか?

Chiyo:“アニメ”というより“映画”だと感じました。世界観もすごいしっかりと作られているし、ちゃんと現代とリンクする問題をテーマにしていたり、何回でも観れる深い作品だなと思いました。


Lei:何回も観られているんですか?

Chiyo:『イノセンス』は何回も観ましたね。あとはTVアニメシリーズの『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』は短編完結が多いので好きな回はサクッと観たりします。

Lei:特に印象に残っているシーンはありますか?

Chiyo:やっぱり今でも『イノセンス』のCMでも使われていた日本人形みたいな子供のシーンは忘れられないです。トグサさんがループするシーンもめっちゃ気持ち悪くて印象に残っていますね。


あとは『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』は22年前の2002年に公開された2024年の話なんです。現実の2024年は「攻殻機動隊」のような世界にはなっていないけど、インターネットやSNSが普及して重なる部分も感じます。電脳は喋らずとも情報の共有や記憶を基に疑似体験もできて、現代もインターネットでほぼなんでも調べられますし、実際に経験していないことでもSNSで他人を批判したりできてしまいます。22年前に描かれた世界が、今になって現実とリンクする部分があって感慨深いです。


Lei:義体化というところもSNSに近いところがありますね。自分を加工で可愛くしたり、自分を見繕ったりすることもある意味義体化だと思います。

Chiyo:体がサイボーグになって、脳も電子化すると「自分のゴーストに聞け」という草薙素子さんのセリフがあるように、本当の自分がわからなくなるんです。この“自分のゴースト”というのは、きっと自分自身の精神性やスピリットで、先ほどLeiちゃんが言っていたように現代でも自分をいっぱい見繕って、レイヤーを重ねて理想の自分を作っていると本当の自分がわからなくなると思うんです。


『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』では最後、好奇心がキーになるんですが、現代の人間も好奇心を色んなところに持ってそういった気持ちを大切にしないと機械と一緒になってしまうんじゃないかなとか考えちゃいました。

Lei:「攻殻機動隊」から影響を受けたものはありますか?

Chiyo:バンドの物販や、アーティスト写真、MVとかで、世界観の方向性の話をするんですけど、結構サイバーパンクっぽいテーマがいくつかあって、それはもしかすると「攻殻機動隊」やSF映画が好きなので自然と影響を受けているのかなと思います。


Lei:Chiyoさんのスタイルについてお聞かせください。お好きなファッションスタイルは?

Chiyo:パンクファッションもカルチャーも大好きなんです。あとはストリートカルチャーも好きなのでストリートファッションも着ます。自分の共通するスタイルで言うと、ちゃんとカルチャーとして好きなものを自分のファッションに取り入れてます。ただ流行ってるものを着るのはあんまり好きではないです。

Lei:音楽もパンクやヒップホップなどが好きですか?

Chiyo:元々はハードコアが好きなのでパンクも好きです。ストリートカルチャーだとヒップホップと言うよりは裏原カルチャーが昔からめっちゃ好きなんです。何かしらそういう自分とリンクするスタイル、共感できるスタイルがないとやっぱ自分には入れたくないところがありますね。


Lei:なるほど。インスタグラムを拝見しているとゴリっとパンクスタイルの反面、ストリートスタイルだけど可愛らしい雰囲気がある時もあったので、メイクセンスしました。 スタイリングする時、大切にしていることやルールはありますか?

Chiyo:自分の中でパンクとか、グランジとかテーマを作ってスタイリングしますね。あとはさっき言ったように好きなカルチャーの物を着たり、好きな人が作った物を着たり、意味がある物を着ることを大切にしています。

Lei:好きな人って例えばデザイナーとかですか?

Chiyo:そうですね。それこそ今日着ているこのメッシュのトップスはお兄ちゃんのように慕っている人のブランド「CYbERdYNE」のアイテムで、普段からよく着ているブランドです。あとは自分のデザインしたアイテムは自分が着たい物を作るのでよく着ます。

Lei:Chiyoさんのブランド「SCAB CLUB」はどういったブランドなんですか?

Chiyo:僕が得意としているのはコラージュなので、そういった自分が手がけたグラフィックを載せたアイテムを出しています。あとはボロボロの物が好きなので、パーカーにボロ加工やヴィンテージ加工を施した物や、ヴィンテージ特有のクラックという特殊加工を施したりしています。

Lei:コラージュはどのように始めたのですか?

Chiyo:おとんとおかんが美術館に行くのが好きな親だったんですよ。よく海外の絵画、特に洋画や油絵、象徴画の作品などを幼稚園の頃から行きたくないのによく連れられていて、その影響もあったり。あとは姉が映画と音楽がめっちゃ好きだったので、姉が借りてきた映画がよくご飯の時に流れてたんですよ。そこからアンディ・ウォーホルを知り、パンクや日本のアーティストも触れるようになりました。それからどんどん掘っていくうちにコラージュに出会うことになったんです。


高校では美術専攻なのに成績はほぼ赤点で(笑)、でもデザインには興味があってパンクの人たちが自分達のフライヤーやグッズをコラージュで作っているのを見て、自分もやってみたくなったんです。実際にやってみたら案外自分にフィットして。デザインの学校も行ってないから、イラストレーターもよくわからないまま触っています(笑)


Chiyoさんが手がけたSPARK!!SOUND!!SHOW!!の3rdFull Album「音樂」 のジャケット

Lei:完全に独学だったんですね!SPARK!!SOUND!!SHOW!!のジャケ写のアートワークも絵画っぽい要素や映画のような雰囲気が含まれていてかっこいいなと思っていました。

Chiyo:来年グラフィックの個展を自分でやりたいと思っています。その時に自分のグラフィックをプリントしたシャツとメンズスカートをパターンから作りたいんです。やると言って全然できてないので頑張ります(笑)

Lei:音楽はもちろん、ご自身のファッションブランド、グラフィックデザインと様々な表現方法をお持ちですが、どのように切り替えられていますか?

Chiyo:僕、めっちゃ切り替え下手なんです…。音楽製作中やバンドのツアー中の空き時間にグラフィック製作をやるとか全然無理。とりあえず切り替えられなくてもパソコンと向き合うようにしています。


Lei:音楽製作とグラフィック製作だと使っている脳が違うと思うのですが、その点はどうですか?

Chiyo:確かに違うとは思うんですけど、グラフィックデザインも勢いに乗ってきた時のライブ感がバンドに通ずるものがあると思います。アウトプットの仕方が違うだけで基本的なマインドは同じなんじゃないかな。


バンドはある程度長くやってきて、自分の立ち位置とか「これやったら面白いんちゃうかな」という視点が確立してきました。グラフィックデザインだと好きな世界観や内面から引き出してテーマを作るので自分自身と向き合うことが多いです。 グラフィックデザインは時代と逆行しててもいいと思っているけど、バンドだったら今っぽさも大事だなと思います。

Lei:それぞれ共通しているテーマや、意識している点はありますか?

Chiyo:当たり前だと思うんですけど、自分の好きなものや影響されたものを自分なりに自分のフィルターを通して出すことは共通してるテーマですね。


Lei:Chiyoさんの全てのスタイルにおいて影響を受けた人はいらっしゃいますか?

Chiyo:X JAPAN・hideさんです。今でこそバンドマンがブランドを立ち上げたり、おしゃれなバンドも増えたけど、hideさんが先駆けだったと思います。僕らも2018年ぐらいからバンドでポップアップストアを開催したり、母体はバンドだけど違う角度から知ってもらえるきっかけを作ってきましたが、そんなことも約20年前からやっていて、今見てもおしゃれだし、むしろ新しくて今っぽさを感じるんです。なのでやっぱりhideさんがやってきたことは僕にとってバイブルですね。

​​Lei:最後にChiyoさんのスタイルを一言で!

Chiyo:自分がワクワク出来る事をやる!


​​Lei:ありがとうございました!


Chiyo
Instagram @chiyospark
SPARK!!SOUND!!SHOW!! 通称スサシのBa.
グラフィックデザイナーとしての一面も持ち自身のバンドのグッズデザインやジャケットなどを手掛ける他、アパレルブランドやアーティストにもグラフィックを提供している。
また不定期ながらも自身のブランド「SCAB CLUB」も精力的に展開している。
 

Lei
Instagram @leipooon
1997年、兵庫県出身。MEQRI JOURNAL ディレクター。13歳からタレントとして活動後、2022年に自身のブランド『Margarines』をスタートしデザインやディレクション全てを行う。同年、クリエイティブスタジオ『studiolab404.com』の立ち上げと共にメンバーとして加入。

 

着用アイテム
攻殻機動隊 Long Sleeve Tee 義体
着用者身長: 178cm
着用サイズ: XL


©S/K.KDD ©1995.S/K.B.M
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