Interview with : JIN KAWAGUCHI


2019年にYouTuber・へきトラハウスの解散後、ミュージシャンとしてのキャリアをスタートしたJIN KAWAGUCHI。今年3月には5作目となる『I AM』を自身の運営する<Deathblow Records>からリリース、ファッション領域ではクリエイティブディレクターとしての活動も加速させている。今回、MEQRIが発表した『刃牙』第二弾コレクションでもモデルを務めたJINに、『刃牙』への思いを伺った。

考えたことを形にする「センス屋さん」

──自己紹介をお願いします。

音楽をやってて、最近は服を作ったり、様々なブランドのクリエイティブディレクションや撮影のディレクションなどをすることもあります。考えたことを形にする「センス屋さん」みたいな感じでしょうか。

──今回のルックではスタイリングも担当しているそうですが、どのようなイメージで臨みましたか。

一言で言うと「キラキラ」です。視覚的な意味合いもありますが、より概念的な意味です。自分がキラキラするものって、自然と集めてしまうんですよね。そういったテーマのもと、ワードローブにあるものから今の気分のものを合わせました。

──JINさんが演出したカットもあるそうですね。こちらにはどんな思いを?

例えば周囲の人たちがSNS上で言い争ったりすることって、とくに最近よくあるじゃないですか。あるいはネットじゃなくても、実生活において大小いろいろな出来事が起こっている。……端的に言うと、もう放っといてくれよって感じなんですよね。周囲の声で、自由な心が殺されそうになる。この「放っておいてくれ」という力強いエネルギーみたいなものを表現できたらいいな、と考えていました。

JUST DO ITな精神は、刃牙イズムを継承してる

──『刃牙』にハマったのはいつ頃でしたか?

多分高校1年生ぐらいのときかな。『範馬刃牙』の第1-2巻、想像の中でカマキリと闘うという “リアルシャドー” の描写で、これはヤバいなと引き込まれて。そこから『グラップラー刃牙』などを読み返していきました。肉体的な強さだけでなく、 “強さとは何かを問いかける世界観”はめちゃくちゃ好きでしたね。
成果を得るために繰り返し練習して、実践でその技術を試し、結果を出す。強くなるための『刃牙』のこうしたあり方は、どんな職種でも参考になるんじゃないでしょうか。とくにビジネスパーソンや営業職といった競争社会に生きる人ならなおさらだと思います。

──では、ご自身の中に刃牙イズムは活きていると感じますか?

そうですね。今、自分がいろんなところからお話をいただけるのも、やってきたからだと思っていて。思いついたことを思いついたタイミングで、不格好でもいいからとりあえずやってきた、行動してきたっていうのがあると思うんです。やらない理由を考えるのではなく、結果を出すためにできることをする。そうしたJUST DO ITな精神は、刃牙イズムを継承してるのかなと。

──『刃牙』のなかで、とくに好きなシーン・描写は?

これは絶対に今言った “リアルシャドー” です。「想像力を極限まで高めることで、実際に肉体に変化が起きる」という描写ですけど、僕も想像力を働かせる仕事なので、刃牙のような想像力が身につけば、もの作りに対してもっとフォーカスできるんじゃないかと思ったりします。

──『刃牙』のテーマでもある「強さ」。JINさんにとって、強くあることとはどのような定義でしょうか?

キャリアを経てきて思うのは、勝ち負けのような相対的な指標じゃないということ。そうではなく、自分自身がやる気や自信に満ち溢れていることや、それがゆえに人に親切にできること。そしてやられたくないことはやらない、言ってほしくないことは言わない。そういう当たり前のことができることが「強さ」なんじゃないかなと思います。自分ができているかというと、まだ難しいんですけど。意地悪とかしちゃうし。

──ご自身の周りのカルチャーと漫画はどのような接点がありますか?

ファッションと音楽や漫画といったカルチャーはもともとかなり密接な関係なのかなと思います。ただ、ストリートやヴィンテージTeeといったものには漫画のカルチャーが受け入れられていておもしろい構図になっていますが、例えばラグジュアリー・ファッションと漫画については、まだまだこれからなのかなと。

──『刃牙』以外で、これまでとくに熱中したモノはありますか。

色々ありますけど、パッと思いつく大好きな存在というとTHE BLUE HEARTSですね。僕がYouTubeをやめて音楽をやろうと思ったのもTHE BLUE HEARTSの影響なんです。「ポップロックカンパニー」のタグが付いている昔のグッズとかほとんど持っていますよ。リアルタイムの世代ではないからこそ、そうやって追いかけているんです。オタクって感じですね。THE BLUE HEARTSの話だったらずっとできます。

──今一番イケてると思う場所は?

僕がいる場所は常にイケてます。

 

(Interviewed by Kentaro Okumura)

 
 

JIN KAWAGUCHI
Instagram @kurtcojain



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